MOTHER2の思い出

生まれて初めてプレイした、という記憶があるゲームはあろうことか摩訶摩訶というゲーム史に残るバグゲーだった私ですが、生まれて初めて好きになったゲームはMOTHER2でした。
当時、面白いつまらないという感情をどれだけ抱いていたかわかりませんが、幼少の私にピンとくるものがあったのでしょう。敵キャラが全体的に愛らしい、町並みが綺麗、マップの移動がシームレスであることによるワクワク感、あたりが幼少期の私の心をつかんだのでしょうか。そして代名詞ともいえる糸井重里のセリフ回しも、他のRPGとは一線を画すものがありました。MOTHER2においては私はプレイヤーではなく、主人公のネスだったのかもしれません。

MOTHER2の面白さとは?

MOTHER2のどこが面白いのか?と聞かれると難しいものがあります。ですので前述の部分を挙げるのですが、これで未プレイ者の心をつかめるとは思いません。これは雰囲気ゲーと呼ばれるもの全般に当てはまるとは思うのですが、プレイしてみないとその良さが伝わりにくいのです。

papa
例えば『パパ』。
当時はお金がモンスターを倒しても手に入らず、キャッシュディスペンサーからお金を引き出すというシステムに類似したものはなかったのではないでしょうか。その『パパ』に電話すると、息子であるネスの冒険をセーブしてくれるとともにお金を振り込んでくれるのです。そしてキャッシュディスペンサーから引き出す。そのパパに電話する際も、ホテルや自宅の黒電話から電話をする分には普通にかけられるのですが、街中の公衆電話から電話をすると1ドル料金がかかるのです。
このリアルさはまったくウリではありません。ただなんかちょっとだけワクワクっとするのです。

hamburger
RPGのアイテムといえば宝箱の中に入っているのが定番ですが、MOTHER2は宝箱に限りません。ハンバーガーショップの横にはゴミ箱があり、そのゴミ箱を調べるとハンバーガーという回復アイテムを手に入れることができます。普通のRPGであれば宝箱(MOTHER2であればプレゼントボックス)を置いて中に入れればいいだけでしょう。しかし、MOTHER2はわざわざ宝箱に入れずに「いやいやゴミ箱のもの拾うなよ(笑)」という気持ちを抱かせます。何度も言いますが、こんなことまったくどうでもいいことです。

escalator
街にはデパートがあります。デパートですのでもちろん高い建物なのですが、その建物内の移動はエスカレーターです。普通のRPGでは階段の上に乗れば2階へ上がったりするものですが、MOTHER2のデパートではエスカレーターなのです。でもこれも、だからどうしたという話です。

そして主人公の武器はバット、ヒロインの武器はフライパンと、刀や杖ではありません。敵はカラスやヤンキーなど、モンスターっぽくないものばかりです。別にだからリアルというわけではありません。
しかし、この少しずつ少しずつの積み重ねがプレイヤーとMOTHER2の世界をリンクさせていくのです。そして起こっていく出来事に対して、ほとんど何も話さない主人公たちになんとなく感情移入していきました。

そしてラスボス戦に出てくるネスの幼なじみポーキー。ずっと主人公の冒険の邪魔ばかりする彼に、当時の私はこんなやつネスに倒されて当然と思っていましたが、おとなになった今ではいろいろと思うところが多いです。人格に問題のある両親、そして隣の家の幼なじみが世界の救世主として選ばれるが自分にはなにもない。本当はネスとともに世界を救いたかったのかもしれません。その後のMOTHER3でその感情が肯定されたあとに、ぜったいあんぜんカプセルに入ったポーキーへの感情は複雑なものがあります。

岩田社長の代表作として

私はおとなになったいまでも雰囲気ゲーが大好きなのですが、それは間違いなくMOTHER2の影響を受けているのでしょう。ドット絵でほとんど表情なんてないのに、みんなの表情が脳内で保管されていく。これこそがスーファミゲームの醍醐味であり、それを強く味あわせてくれるのがこのMOTHER2です。
剣と盾を手に難解なダンジョンを解き巨悪を倒す。そういったRPGではありませんが、スーファミ世代でプレイしたことがない人にはぜひ一度触れてみてほしい作品です。

また先日、MOTHER2の生みの親である岩田聡氏が亡くなりました。私はニンテンドーダイレクトや社長が聞くを読むことが好きだったのですが、その根幹は間違いなく「この人は本当にゲームが好きだし、面白いゲームを作れる人なんだ」という信頼がMOTHER2でできていたからでしょう。
社長就任後もさまざまな商品やソフトを世に送り出しましたが、もう一度開発者としてゲームに関わってほしいというワガママな願いは叶わぬまま亡くなってしまいました・・・。
このMOTHER2がクリエイター・岩田聡の代表作として、永遠に評価され続けて欲しいと願うばかりです。

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